電動キックボードを導入しようと思った経緯を教えてください。
新潟市北区役所産業振興課 小山係長(以下、小山様):北区には、シンボルでもある「福島潟」があります。新潟市内の潟の中で一番大きく、220種類以上の野鳥、約800種類の植物が確認されている自然の宝庫で、春には菜の花が咲き誇り、多くの来場者で賑わいます。
しかし、二次交通が弱いという課題があり、自家用車が主な交通手段となっています。
このエリアは、豊栄駅があり、新潟方面や新発田方面からの電車での接続は悪くないのですが、その先の交通手段としてバスが通っておらず、タクシーやレンタサイクルを利用する必要があります。公共交通利用者の移動手段として、何かないかと検討しているところに、新潟県内で唯一電動キックボードのレンタルを実施している愛宕商事の担当者の方よりお話をいただき、新潟市内初として運用していただいています。
北区での電動キックボード導入は、新潟市内初でしたが、開始までに注意した事はありますか?
愛宕商事 宇都宮(以下、宇都宮):先行して導入開始していた首都圏などで、利用者の事故や道路交通法の改正に関して、ネガティブな意見がニュースでも取り上げられていたので、地元の方からどの位不安の声が出るだろうか。と言うのは最初に懸念した事でした。
事前に北区役所の皆様始め、地域の皆様から沢山のご意見を頂く事が出来た事で比較的スムーズに導入開始できたと思います。現状、運用開始後も大きなトラブル無くご利用頂けている状況です。
運用開始後、役所内の反応・区民の方の反応はいかがでしたでしょうか?
小山様:北区内の様々なイベントにおいて、愛宕商事の担当者の方から試乗会を実施していただきました。区内外の方問わず、キックボードを目にしたり、試乗したりした方がいらっしゃったとお聞きしました。
新しいモビリティとして興味をもってもらい、利用につながっているようです。利用者からは、概ね「楽しかった」、「風を切る感じが気持ちよかった」などの声が聞かれました。車輪が小さいので、段差など運転に気を付けていただくとともに、交通ルールを守って、楽しんでいただきたいと考えています。
市外の方の利用が多いようで、観光時の移動手段、または、街のアクティビティとして利用され、福島潟への二次交通の課題解決に貢献いただいているとともに、回遊性の向上が図られていると思っています。
イベント開催時、運営事業者として意識した点はありますか?
宇都宮:やはり一番は、交通ルールの周知ですね。道路交通法の改正があった事は知っていても、詳しい内容までは理解していない方が試乗会でも多くみられたので、複数回の試乗会で説明の場を設けられた事は、とてもありがたかったです。各イベントの試乗会でも大変興味を持っていただき、運用開始前に約100名の方に試乗していただく事ができました。
今後、弊社と取り組んでみたい事はありますか?
小山様:御社には、電動キックボードのほか、レンタサイクルも運用していただいています。これらを使って、まちをめぐってもらえる仕掛けを一緒に考えていただけたらと思っています。
福島潟は、春以外の季節も見どころがあり、ビュー福島潟からの景色も絶景です。個人的には、無料休憩所「潟来亭」からの景色がおすすめです。古民家風の建物で管理人さんの地元なまりの会話が楽しめたり、囲炉裏があったり、どこか懐かしい、日本の原風景を感じられます。
また、福島潟以外にも「海辺の森キャンプ場」、「葛塚市場」、「松浜市場」、レストラン、割烹、菓子店、酒蔵など、楽しめる場所があります。電動キックボードなどの利用を通じて、まちをめぐる人が増えて、さらなる北区の活性化につながることを期待しています。
宇都宮:地元の皆さんとコラボした取り組み・企画をもっとやっていきたいと考えています。電動キックボードは移動ツールなので、電動キックボードで巡るスタンプラリーも面白そうですよね!
小山様:そうですね!また一緒にやりたいですね!