PROJECT CASE

プロジェクト事例

使い捨てない選択が、未来を変える – アルビレックス新潟と挑むSDGs

カーボンニュートラル推進事業部

カーボンニュートラル推進事業部では、環境への配慮を目的とした取り組みとしてアルビレックス新潟がホーム開催試合の飲料販売に導入している、リユースカップ事業の運営をサポートしています。この取り組みにおける導入の背景や運用の工夫について株式会社アルビレックス新潟のご担当者様にお話を伺いました。

リユースカップとはどんな取り組みですか?

愛宕商事 山田(以下、山田)リユースカップは使い捨て紙コップの代わりに、
再利用可能なカップを使用する取り組みのことです。毎回捨てるのではなく、
回収・洗浄を行うことでごみの排出量削減につながります。
アルビレックス新潟様とは2005年からこの取り組みを協働させていただいています。

カーボンニュートラル推進事業部は、
このプロジェクトにどのように関わっていますか?

(山田)まず、このプロジェクトは、リユースカップを使用する飲食売店様、洗浄・配送を行う新潟ガラスリサイクルセンター様、
そして20年にわたりこのプロジェクトを採用し協働してくださっているアルビレックス新潟様によって成り立っています。

その中で弊社は、リユースカップ事業の運営において、関係各社をつなぐ調整役を担っています。
飲食売店様へのご説明や、試合ごとの手配数決定、損失数・在庫数といった数字の管理を通じて、現場運営をサポートしています。

 

リユースカップの関係図

環境への配慮をさらに強化する為に、
取り組まれた事を教えてください。

(山田)2024年シーズンからは従来のプラスチック製のものからライスレジン製のカップに変更いたしました。
ライスレジンとは食用に適さないお米や、廃棄されてしまうお米を使用した素材です。
従来のプラスチックよりも製造における石油の消費量を抑えることができるため、より環境へ配慮した形に変更されています。

食用ではないお米
ライスレジン

20年に渡り継続してこられた要因は、何だと思いますか?

(ご担当者様)継続して使用してくれているサポーター・飲食売店の皆様の協力があってこその20年だと思っています。
また、弊社としても地道に啓発活動を続け、使いやすい仕組みを整えてきたことが、ここまで継続できた要因だと感じています。

環境面以外での成果は、どんな事がありましたか?

(ご担当者様)「リユースカップといえばアルビレックス」というイメージが根付いていると実感しています。
他のチームや球団でもリユースカップを導入した例はありますが、単発で終わってしまうケースが多いようです。
そんな中、私たちは20年間継続して取り組んできました。業界内で見ても、これは非常に意義のあることだと感じています。

リユースカップ

サポーターや飲食店の協力を得る為に、
継続して工夫した事・苦労した事はありますか?

(ご担当者様)「紙コップを一切使わない」という強い想いを原動力に、リユースカップの導入を推進してきました。
導入当初から20年以上にわたって継続使用してくださっている飲食売店様もあり、その長年のご協力に大変助けられています。
また、新たに出店される飲食売店様には、リユースカップの使用を出店条件とすることで、取り組みの共通認識を持ちつつ、着実に普及を図ってきました。

実際に導入された飲食売店様からは、「特に混乱や課題に関する記載もなく、大きなトラブルもなくスムーズに導入できたと感じている」との声をいただいています。また、「紙コップと比べても価格面で大きな差がなかったことが導入しやすいポイントだった」といったお声もあり、こうした前向きな反応に支えられて、現在では場内外あわせて30〜40店舗にまで協力の輪が広がっています。

20年目を迎えた今、
これからの展望や目標についてお聞かせください。

(ご担当者様)現在、リユースカップの回収率は約97%ですが、今後は100%に近い数字を目指していきたいと考えています。
そのために、さらなる啓発活動を強化し、サポーター・飲食売店様の方々と協力しながら、環境負荷の削減に向けて、引き続き挑戦を続けていきます。

(山田)そうですね。より返却しやすい仕組みづくりは弊社としても考えていきたいです。
また、飲食売店様の皆様にはお釣りの準備や回収作業等、少なからずご負担を強いてしまっています。
ゼロにすることはできませんが、負担を軽減できるように取り組んでいきたいです。

リユースカップ導入を検討している関係者の方へ、
アドバイスお願いいたします。

(ご担当者様)各飲食売店様が個別に紙コップを用意すると、規格や容量がバラバラになってしまいます。
しかし、リユースカップを導入することで、統一規格のカップを用意できるという大きなメリットがあります。
規格が統一されているからこそ、売店ごとに価格設定を変える必要がなく、アルコールなどもお客様へ価格も統一で案内できます。

デンカビッグスワンスタジアム
ビールが入ったリユースカップ
取材協力 株式会社アルビレックス新潟
株式会社アルビレックス新潟は、新潟県を拠点とするプロサッカークラブ「アルビレックス新潟」の運営会社です。 スポーツを通じて地域と共に歩むことを理念に掲げ、地域活性化や次世代育成にも力を入れています。 株式会社アルビレックス新潟